10年以上前に書いたギリシャ神話のSSを再掲していっています。たくさんある中でもこの連作をトップバッターに更新したのは、ひとえにボリュームがあることと、登場じんぶつがたくさん出てくるからです。今回この連作にタイトルもつけました。
アプロディテの浮気心から始まってヘパイストスの恋心で終わったのは、きれいに着地したなあと我ながら思います。ギリシャ神話に詳しい方には、いろんな神話の物語と創作を混ぜ混ぜにして、またそれを自分で壊してるように見えると思います。そういうスタイルです。まず「元の神話物語をまったく踏襲していない」ということが分かっていただけたら幸いです。
ずっと考えていることなのですが、ギリシャ神話というのはあらゆる時代や地域の神話・物語の複合体で、ひとつひとつのエピソードは宇宙にある天体のように単独で存在しているのに対し、我々が地上から空を見上げると星々の距離感など測れなくて、まるで1枚絵を見るように平面的に星空を認知し、そうして生まれたのが星座、今見えているギリシャ神話の物語とはそういうものということ。そして、古代からたくさんの語り部を経て今ここに残ってる物語は、古代のものとは全然違うのだろうということ。古代のギリシャ(そもそも「古代ギリシャとは何ぞや? いつや? どこや?」から始まるよね……)はどんな信仰でどんな祭儀があって……という研究の道もありますが、私なんぞちゃらんぽらんなので、自分が楽しく創作する方向に舵を切って久しいのであります。
「正しいか間違っているか」ではなく、「悠久の歴史を持つギリシャ神話を今生きる私が話すならばどんな新しい物語が描けるだろう」という気持ちで取り組んでいます。常に実験です。
ところで、これまで誰にも話さなかったし、誰にも気づかれなかった伏線? 裏話? をここで明かします。
『オフィーリア』で出てくる、小川に流れる花、あれはアプロディテの浴室から流れてきています。
そう、あれ、生活排水。

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